先日の夕刻ですが、疲れきって帰宅しますとなんか変なんです。まず玄関に常時並べてあるサンダルが一足も無い。そして廊下の奥の薄暗がりにばら撒かれている、いつも洗濯カゴに入れてあるはずの洗濯物。少し離れたところで無残に引き裂かれ打ち捨てられたマイ・アンダーウエア。っちゅーか俺のトランクス。
はて・・・? 
おまけに微かな異臭。そして何より、俺が玄関の鍵を開けると、途端にワンワンキャンキャンと盛大に鳴き喚くはずの我が家のアイドルであるところのゴロちゃん(アイリッシュセッター・子犬)が嫌に静かなのです。
はて?
徐々に膨らんでくる嫌な予感を胸に、恐る恐る普段ゴロちゃんが入っている柵を覗き込むと、やはり! ヤロウ脱走してやがる。以前からアイリッシュセッターの運動能力の高さに驚いていたのですが、いやすごいですねえ。子犬の癖に自分の身長と同じ高さの垂直な柵を、どうやってか乗り越えやがったんです。で、そうっと居間に入ったら「うわ、うわぁ〜っ!」ですよ。泥棒だってこんなに荒らさねえぞオイ! ってな感じで滅茶苦茶ですわ。まず玄関から消えたサンダル3足が親父専用座布団の上で無残な姿になってました。で、コリー犬のベン君用の餌が部屋中にぶちまけられ、生ゴミの袋を引っ張り出してきてその中身を加え、洗ったばかりの洗濯物を和えて出来上がり。場所を変えて座敷の前で糞。便所の前で糞。物置の奥で糞。客間と玄関マットに放尿。
ひどい・・・。何もここまで・・・。
当の本人は「いっやー、ちょっとハメ外し過ぎましたぁ?」て感じで俺の足元にお座りして尻尾を振ってやがる。ブチッ!
流石に感情的になっちまいましたね。思いっきり尻を引っぱたいてやりました。3回。存外痛かったらしく、「キャンッ」と吼えて階段の下から出てこなくなりましてね。あんまり腹立たしいので度々怒鳴りつけながら、そのまま放っといて掃除しました。大変でした。
で、後からネットで、(アイリッシュセッター しつけ)で検索かけたんですね。そしたらこんな一文が目に飛び込んできました。


犬の十戒『DOG TEN COMMANDMENTS

1.私の一生は10〜15年くらいしかありません。
ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。
私のことを飼う前にどうかそのことを考えてください。


2.私が「あなたが私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間が必要です。


3.私を信頼して下さい......それだけで私は幸せです。


4.私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。
あなたには仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。
でも……私にはあなただけしかいないのです。


5.時には私に話しかけて下さい。
たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、
私に話しかけているあなたの声で理解しています。


6.あなたが私のことをどんな風に扱っているのか気づいて下さい。
私はそのことを決して忘れません。


7.私を叩く前に思い出して下さい。
私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど、
私はあなたを噛まないようにしているということを。


8.私のことを言うことをきかない、頑固だ、怠け者だとしかる前に
私がそうなる原因が何かないかとあなた自身考えてみて下さい。
適切な食餌をあげなかったのでは?
日中太陽が照りつけている外に長時間放置していたのかも?
心臓が年をとるにつれて弱ってはいないだろうか?などと


9.私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じように年をとるのです。


10.最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送ってください。
「見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」
なんて言わないでほしいのです。
あなたがそばにいてくれるだけで、私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。

そして・・・どうか忘れないで下さい。私があなたを愛していることを。

そうか・・・、そうだよな。ごめんなゴロちゃん、叩いてしまってごめんよぉ〜! と抱きしめてやりましたらば、思い切り耳を噛まれました。
やっぱり最後は愛ですね。ですよね?