目覚めると空は薄明るくなっていた。明け方4:00近く。程なく171号線に乗る。京都市だ。そろそろ休憩場所をと、相方と二人で明るくなり始めた町並みに目を凝らし始める。言わずと知れた漫画喫茶好きのSP−D。今回の旅も休憩は全て漫画喫茶と決めている。好きなんです漫喫が、本当に。イヤ本当に。本当なんだってばさあ。
日頃の行いが良いので目的のものはすぐに見つかった。入店後、早く横になりたい一心で新規入会申込用紙に記入してゆく。それにしても旅の先々で漫画喫茶の会員証を作っている我々、そのどれもが全国チェーンにも関わらず、同じ系列の店にめぐり合ったことが無い。真新しいカードだけが増えてゆくのです。旅の度に1枚ずつ。
疲労と眠さのため店員の説明をいい加減に聞き流していると、リクライニングしない椅子のブースに案内された。やっぱり場所を変えてくれと二人して申し出ると、店員に少し嫌な顔をされた。カンベンしておくれよう。

数時間休んで店を出る。朦朧とした頭に陽光が突き刺さる。時刻は午前10時30分。目的の江坂MUSEまでは1時間弱。なんということはない。はずが、大渋滞に巻き込まれた。アホである。アホのような渋滞である。生粋の田舎者としては信じ難い光景。飯を食う時間はおろか、コンビニに入る時間もなさそうだ。遅刻だけはできない。
あまりの車の多さにテンパッている俺を気の毒がって、相方が運転を代わってくれた。颯爽とハンドルを握る姿にちょっとドキドキした。

途中高速を使いなんとか時間までに会場入り。ビルの5Fにある江坂MUSE。綺麗な造りのホールだ。ステージも広くてなんとも気持ちがよさそう。挨拶をして楽屋に案内してもらう。今回はアコースティックのイベントなので、初対面のバンドと狭い楽屋を共有。なんてことにならずに済みそうだ。良かった。

[“unplugged market”〜夏到来 江坂に八つの打ち上げ花火〜]

と銘打った今回のイベント、出演者数は以下の8組(順不同)だ。

今中健介
アダチケンゴ
さぁさ
小杉美帆
SP-D
Second to none
中村 利沙
映画制作課

最後の映画制作課さんは本当にショートフィルムの出展という形での参加。なんともバラエティに富んだちょっとしたフェスティバルのようなイベントだった。

さて、肝心の我々SP−Dのライブ。他の出演者の皆様に感謝! 平日にも関わらず8割近くの席が埋まった状態でスタートできた。我々の一挙手一投足をじっと見守られる中、あまりリアクションを引き出す間もなく若干空回り気味のままライブは終了。反省した。ライブは生もの。その時その状況に応じて変化していかなければならないということを改めて感じた。お客さん全員が、最後まで僕らのライブを集中して見ていてくれたこと、拍手。ありがとうございました。

途中のMCで、「CDを売ったお金を交通費にします。売らなきゃ帰れません」などといつもの調子でやっていたら、後になって「これ、ガソリン代には足らへんけど・・・」とCDを2枚買ってくれた紳士がいらっしゃった。「久しぶりに元気出た、ありがとう!」そう言ってCDを受け取ってくれた。こちらこそありがとう。CDを買ってくれた皆様、本当にありがとうございます。

とにかく、この日のライブは本当に色とりどり、まさに花火のようにいろんな色を持った出演者が一同に会したイベントだった。