先日金沢で、十代の頃大好きだったバンド、『LORAN』のボーカリストYASSさんとお会いする機械があった。ストリートファイターズの北陸ミーティングにてである。あまり話はできなかったけれど、大興奮した俺は自分でも驚くほどの異様なハイテンション状態。翌日早朝に羞恥の挙句悶死。最近またCDを聴くようになった。やはり素晴らしい。

今週アタマには総一郎さんが高岡にやってきた。鼻毛の森EIKOさん、そしてSP-Dの4組で深夜まで語らう。無茶苦茶に笑った夜だった。懐かしのテレビアニメ談義に花が咲き、それがウルトイラマンの話題に及んだ時、「そういえば誰かハヌマーンて知りません? ハヌマーン」と言った俺の言葉に総一郎さんが即座に答えた。

「知ってねーワケがねえじゃん」

この短い問答が俺にとってどんな意味を持つかは余人には計り知れないものがある。俺は狂喜した。というのも、ハヌマーンという名のそれは恐ろしい風体のヒーローが過去に存在したという事実を、俺は未だかつて誰とも共有したことがなかったからだ。年に数度、フラッシュバックのように思い出すあの恐怖のヒーローは、幼い頃の俺が作り出した妄想だったのか? そうなのか? だとしたらそこにどんな原体験が隠されているのだろうか? 幼い少年の心にいったいどんなトラウマが隠されていたらあんなモノを生み出してしまうのだろうか? 
しかしその長年の憂いは一気に氷解した。俺はこの日救われた。総一郎さん、ありがとうございます。円楽師匠、ありがとうございます。

6日火曜深夜、ライブのために新潟へ出発。『ジャンクボックス』は初のSP-D、気合は十分だ。霙交じりの風雨の中、ひたすら8号線を北上した。途中仮眠をとったので到着したのは7日正午頃だった。この日は『ジャンクボックス・ミニ』への出演。ミニといっても大御所も出演する素晴らしいハコだ。無事リハを終え本番を待つ。夕方6:30開店。なんと富山県から二人のお客様がSP-Dを観に来てくれた。旧知の二人。ありがとう! 本当に嬉しかったです。

新潟には俺達が大好きな人がいる。桑名シオンさん。ずっとメジャーアーティストとして東京にいて、今は新潟県新発田市を拠点に全国規模で活動されている。その男前がSP-Dを観に来てくれた。心強かった。
シオンさんはィ良い男だ。俺達なんて足元にも及ばないほど素晴らしいアーティストなのに、気持ちよく付き合ってくれる。シオンさんの出す空気は暖かくて気持ちいい。ついつい甘え過ぎた俺達に、ずっと笑顔のまま明け方4時過ぎまで一緒にいてくれた。
シオンさん、ありがとうございました。また会いましょう!

仮眠を交代でとりつつ、ヘロヘロのヘラヘラで富山へ、ふらふらになった頭に昨夜の会話がよぎる。シオンさんは旅の途中で眠くなると、運転しながら自分の状態を実況するらしい。「総ちゃんなんて眠くなると運転しながら立ち上がっちゃうらしいぜ!」その時のシオンさんの仕草を思い出し、もう一人の、こちらも俺達が大好きでたまらない旅系のィ良い男のオチャメな姿を想像して、ハンドルを握りながら一人思い出し笑いをした。
隣で相方が不自然な体勢で熟睡している。こちらも面白い。
素敵な旅でした。